【アスタリフト】アイクリーム
世の中には恋コスメなるものがあって、一時期ものすごくブームになり、試しもせずにその品番を求めて買いに来るお客が後を絶たなかったという。
確かに恋をすれば身にまとうものが少し変わったりするし、少しでも自分がよく見えるように意識してしまうものだ。
ボルドーやヴィヴィットなオレンジよりはピンクが入っている口紅の方がいいのかと悩んでみたり、アイラインは跳ね上げるより馴染ませて優しいまなざしにしたいと思ったり、たまにはスカートをはいてみようかとクローゼットを開けたら全然かわいい服がなくて慌てたり。
バカみたいに単純に喜んだり悲しんだりもする。
恋する自分をうまくコントロールできる人が羨ましいと思うけれど、そんな人は存在するのだろうか?
恋をするとコスメを買ってしまうのは(女の)人の常だろうが、私は色ものを買うよりはスキンケアを一段ときちんとしておこうと思う派だ。
待ち合わせで手を振ったとき、ふいに顔が近付いたとき、毛穴がなるべく目だないように、シミは隠せないけど自然な艶でカバーできるように、なにより少しでもかわいいって、キレイだって思われるようにしておきたい。
そう思っていつもより丁寧にスキンケアを塗り込み、パックをして毎日を過ごすようになる。
笑ったときに目じりにできるシワが気にならないくらい、魅力的でいられたらどんなにいいだろうか。
好きな人が一目で恋に落ちるような魅力が私にあればどんなにいいだろうか。
というか、シワはまだそこまで気にしていない。
40代になったら変わるかもしれないけど、30代で顕著なのはたるみだ。
シワはある程度仕方ないと思えてもたるみにだけは逆らって生きていきたい。
顔全体もそうだし、目もそう。
20代に比べて明らかに目が小さくなってたるみを感じていて、どうにか食い止めたいとずっとディオールのアイクリームを使っていたけど、ネットでいいと見かけたアスタリフトのアイクリームに少し前に乗り換えた。
こっくりとした重たいクリームはとんとんと置くようにして塗るのがよい。
目の下のブルドックライン(って言うんだっけ?)と奥二重の幅、目じりと丁寧に塗る。
目が合ったとき、目を見ながら話すとき、このつぶらな瞳が少しでも印象的であるように、魔法がかかってほしいと願いながら毎晩このクリームを塗る。
一カ月以上使ってみての感想は二重幅が安定するまではいかないけど、不便でもないといったところでディオールに戻すかもしれないけど、コスパはいいしこれで続けてみようかなという曖昧なもの。
とにかく7000円で少量で済むから半年、下手したら一年はもつのではというコスパのよさなので、アイクリームを導入できずにいる人は始めやすい・使いやすいかもしれない。
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頭のてっぺんからつま先まで気を配って少しでも美しくあれるように。
これは媚びなんかじゃない。
私が自信を持って目を合わせて笑いあえるようにするための、ちょっとしたおまじないみたいなものだ。
あぁ、どこまでも美しくなりたいよほんと。
私のためにね。